本日の日経新聞、朝日新聞に、18歳選挙権・政治教育など高橋亮平のコメントが掲載

150705 掲載記事<朝日>本日7月5日の日経新聞朝刊および、朝日新聞GLOBEに、18歳選挙権・政治教育など高橋亮平のコメントが掲載されました。

以下掲載記事1

(朝日新聞GLOBE 2015.7.5)

大人って何だろう?

投票できれば大人か?

日本では18歳に、大人と子どもの線引き

投票できれば大人か?
日本の選挙権年齢は20歳以上。1945年に定められ、民法や少年法の成人年齢もそれに準じる。その選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立した。来夏の参院選から18、19歳の約240万人が、新たに「大人」に加わる。
5月末、東京・四谷で「18歳選挙権フォーラム」が開かれた。松下政経塾が主催し、若者の政治参加を進めるNPO法人「Rights」が後援。約150人が参加した。
投票する権利は、社会の意思決定に参加する義務でもある。18歳から政治参加が義務づけられるのに、そのための教育は足りているのか。パネル討論で、Rights代表理事で中央大学特任准教授の高橋亮平(39)は「いろいろな選択ができることを教えることが政治教育。教育現場でそれが自由にできるようにするのが重要だ」と語った。

英国では16歳以上への引き下げの声も
世界の選挙権年齢をみれば18歳以上は標準的だ。2014年の国立国会図書館の調査では、197の国・地域の9割が18歳以上(16、17歳を含む)としていた。欧米の多くは1970年前後に相次ぎ18歳以上に引き下げた。米国ではベトナム戦争で18歳以上が兵士として死傷、「戦えど政治参加はないのか」という声が高まっていた。
英国では、選挙権年齢のさらなる引き下げが論議されている。5月の総選挙では保守党を除く主要政党の多くが16歳以上への引き下げを掲げた。英国で国政選挙に投票できる年齢は18歳から。欧州連合(EU)の多くの国でも18歳で、16歳からはオーストリアだけだ。
引き下げ論議を刺激したのが昨年9月にスコットランドで行われた独立の是非をめぐる住民投票だった。英国からの独立をめざすスコットランド民族党(SNP)などの意向で16歳以上に投票権が与えられた。SNP所属議員のブルース・クロフォード(60)は「独立の是非はイングランドと連合を組んで以来300年間で最も重要な決断だ。最も影響を受けることになる16~17歳も投票権を持つべきだと考えた」と話す。

学校を舞台に政治論議を
結果、45%対55%で独立は否決された。ただ若者の政治参画意識は高まった。エディンバラ大学の社会政治学の研究員ヤン・アイヒホルン(28)らの調査では、住民投票の後に控えていた英総選挙で「投票の意思がある」と答えた18~19歳の割合は、スコットランドで6割超。イングランドの倍だった。
若者ほど独立を支持したかといえば、そうでもなかった。16~17歳の判断の決め手は18歳以上の大人と同じ「経済がよくなるか否か」だったとアイヒホルンは指摘する。
英国全体での選挙権年齢の引き下げには、保守派を中心に反対意見も根強い。「18歳未満は政治的に未熟」という声から、「左派寄りの教師の影響で左派政党に有利になる」というものまである。
アイヒホルンは「スコットランドをみても選挙権年齢引き下げに問題はない。16~17歳の大半は学生なので、学校を舞台に政治論議を深めるのに役立つ」と言う。スコットランド政府は来年5月の議会選挙でも16歳以上に投票権を与える見通しだ。

以下掲載記事2

(日経新聞 2015.7.5)

18歳選挙権、どう生かす? 与野党、政治教育の中立性議論へ 海外では国が教材

来年夏の参院選から、投票できる年齢が20歳以上から18歳以上に下がる。これを契機に若者の政治への関心を高めようという取り組みが動き出している。政府や各党がとくに大切と考えているのが教育だ。既に18歳が選挙権をもつ各国の取り組みを調べてみた。
6月17日に選挙権年齢を下げる改正公職選挙法が成立した。18、19歳の未成年者約240万人が新たな有権者となり、18歳になれば高校3年生も投票できる。全有権者の2%程度にすぎないが、若年層の投票率が上がれば「政治が若者の方を向くきっかけになる」(政府関係者)とみる。
選挙権年齢の引き下げを訴えてきたNPO法人Rights(ライツ)の高橋亮平代表理事はスウェーデンでの視察を忘れない。
若者政策担当の閣僚と向かい合った20代の女性。全国の青年組織を束ねる「全国青年協議会(LSU)」の代表だ。同国は若者に影響のある政策を決める際、実際に若者の意見を聞かなければならない仕組みになっているという。
全国で模擬投票
高橋氏は「若者が深く携わっている。そこに至るまでに政治参加の意識を養うさまざまな教育が施されている」と感心する。例えば国が補助金を出し国政選挙にあわせて各学校で模擬投票を実施する。全国レベルで集計された結果に社会も関心が高い。生徒会も活発で自治活動に熱心だ。
ドイツは日本の総務省にあたる内務省が管轄する「連邦政治教育センター」が教師向けのセミナーを開催し、副教材も作成。時事問題や選挙の争点になりそうな最新のテーマを更新し、各学校に提供する。
英国は中等教育の段階で「シティズンシップ教育(市民教育)」を必修化している。各国は普段の授業で「争点の課題を正面から取り上げ議論させている」(政治教育に詳しい近藤孝弘・早大教授)。
各国も高齢者に比べて若者の投票率は低い傾向にあるが、日本より落差が小さい。2014年衆院選の年代別投票率は、最も高かった60代に比べ、20代は半分以下の32.58%。スウェーデン(14年選挙の推計)は18~24歳が81.3%で、最も高い65~69歳より約10ポイントのマイナスにとどまる。
これまで日本は学校教育で政治的な話題を避ける傾向にあった。学園紛争が高校まで及びつつあった1969年、当時の文部省が「高校生が政治的な活動に関わることは望ましくない」との通達を出したのも背景にある。今後、政府で見直す公算が大きい。
神奈川では先行
いち早く政治教育に力を入れたのは神奈川県だ。全県立高で10年に模擬投票を実施、11年度には政治や選挙のあり方などを学ぶ時間を設けた。当時県知事として主導した次世代の党の松沢成文幹事長は政治参加教育推進法の制定をめざす。
各党の議論の焦点は「教育の中立性」だ。自民党の文部科学部会が2日にまとめた提言は高校で新しい科目の設置などを掲げたが、高校生の政治的活動は「抑制的であるべきだ」と明記。政治的中立から逸脱しないよう教員の政治活動を制限し、違反した場合の罰則も提案した。民主党を支持する日教組の影響力を警戒する声が根強いからだ。
民主党は「あまり恐れずにナマの政策議論を学校でするのが一番いい」(細野豪志政調会長)との立場。政治課題に関する教育の充実などを求める提言をまとめる方向だ。