議員や公務員の期末手当凍結を考える。

いよいよ明日、5月臨時会が行われます。
これまでもブログにも書いてきましたが、今回、臨時議会を行うことになったのは、5月1日付で人事院が経済状況などから民間企業の夏季ボーナスが下がるだろうことを受けて、国家公務員の6月に支給される期末勤勉手当においても一部凍結をしようと勧告したことを受けて、国家公務員がするんだから、地方公務員も同じように下げた方がいいのではないか。
だったら、6月1日が期末勤勉手当の基準日だから、それまでに議決しなければいけないから5月29日に臨時議会を行うかというものです。

あらためて確認ですが、人事院勧告というのは、国家公務員に向けての勧告であり、地方公務員はもちろん、地方議員、さらに言えば国会議員のことに触れているわけでもありません。

ただ、国の人事院と同じように、公務員給与について調査したり方向性を示すものとして、地方には人事委員会というものが、都道府県や政令指定都市には設置されているのですが、市川市のように一般市には、こうした機関がほとんど設置されていません。
こうした中で、独自の判断ができないため、人事院の国家公務員への勧告をそのまま反映させるという自治体がほとんどであるという現実があります。

ただ、市川市は常に地方分権のモデルになるべく、独自で判断するということを強調しています。
この部分には、私も全くその通りだと思いますが、都合のいい時だけ、地方主権、都合が悪くなると国にそろえてというのであれば、市長のいう地方分権のモデルがどこにあるのか分かりません。

次にこの人事院の勧告についてですが、通常人事院の勧告というのは毎年8月に行われます。
今年についても8月に通常の人事院の勧告があるにも関わらず、景気や経済の悪化などを背景に今回は臨時に行われたということがあります。
こうした臨時で勧告が出されたということも過去にあまり例がなく、今回の引き下げではなく凍結という表現もこれまでに例のないものです。
また、今回の勧告の根拠になっている民間企業への調査についても、調査対象が通常よりかなり少ないサンプルであるほか、偏った業種からのものであることから、根拠自体が怪しいという指摘もあります。

そういう意味も含めて、今回の勧告を果たして市川市はそのまま受け止めなければならないのかというとはなはだ疑問です。

次に、今回、市川市が職員の期末勤勉手当を凍結するという議案を提案する目的と理由についてです。
議案の提案理由には「平成21年5月1日に出された人事院勧告等を考慮し、同年6月に支給する期末手当及び勤勉手当の額を暫定的に減額する措置を講ずる必要がある」とあります。
つまり、市川市としてこの議案を提出理由は全くなく、単に「人事院が勧告したから」が理由です。
本来こうしたことを政策として行うのであれば、「経済的状況や景気の低迷に伴い、民間に合わせて職員の手当についても減額し、その予算を経済対策や景気対策をはじめ市民のみなさまに行政対策として還元するため」などとし、今回の議案と同時に補正予算を組んで、さらなる政策提案があってしかるべきではないかと思うのです。
現段階では、ほとんど案という案は内容であり、非常に場当たり的な感じを受けます。

こうした点についても含め、明日の臨時議会では委員会で徹底的に確認していこうと思います。

また、今回の議案と同時に、議員からも職員と同様に議員の期末手当を下げようという発議が出てきています。
この発議については、以前ブログでも書いたように代表者会議などで提案しようという意見なども出されましたが、私は提案者にはなりませんでした。

理由は、今木アの人事院勧告が先に挙げたような状況にあること、それ以前にこれからの地方分権時代において、国にならえで地方として何の判断もないという対応はあまりにも能がないように見えるという事。
とくに議員については、本来、人事院勧告を受けてその通りに対応するというような類のものではなく、議員や首長など特別職は、自らの政治的な判断において、有権者や市民に対してどう示し、説明責任を果たすのかというものではないかと思うのです。
今回の場合、民間などの状況を鑑み政治家がまず先頭に立って、痛みを共有するというのであれば、経済や景気の動向はすでに見えていたわけで、人事院勧告の方向性についてもずいぶん前から分かっていたはずです。
そういう意味では、やるなら人事院勧告が出るもっと早くに議員側から提案して示すことの方がよっぽどメッセージ性があったのではないかと思うのです。

逆に、議員報酬全体について、本当に今の額が適正なのかという問題もあります。
一方では、パブリックサーバントなんだからもっとボランタリーでやれという意見もありますが、一方で、現状の報酬では調査機能や政策立案、立法機能なども十分とは到底思えません。
一昔前の名誉職というような状況でもなく、優秀な人材が集まる仕組みにしようと思ったらむしろ上げなければいけないのではないかとさえ思います。

今回の議会では、市長など特別職も含む職員の期末手当の議案に対しては、所管の総務委員会に所属しているため本会議で質疑ができませんが、議員は次の方は、委員会付託を省略するため本会議での質疑が可能でした。

議員発議の場合、この委員会審議の省略をはじめ、提案理由の説明も省略されることが慣例であり、質疑をしないと議員が何を思って発議したのか、どういう問題があるのか、結果どういう意味があるのかなどまったく記録に残らないという問題もあります。
また、提案者になっている議員全員が、本当に今回の人事院勧告の意味、今回の発議の意味などを把握しているのかということも確認したいという部分もありました。
そういう意味では、質疑しようとも思ったのですが、発議を上げようという話し合いが行われた代表者会議に出席していたことなどもあり、今回はあえて発議に対する質疑を行うことは避けました。