「若者はなぜ3年で辞めるのか?」同世代の雇用と働き方を考える。

昨日は朝から、民主党青年局(正確には組織委員会青年担当)による「格差・下流社会・団塊ジュニア・ロストジェネレーション問題勉強会」に国会議員らとともに出席しました。
講師は、34歳と同世代でもある、「若者はなぜ3年で辞めるのか?」などの著書でも有名な城繁幸 人材コンサルタント「Joes’s Labo」代表を招いて、世代の課題、とくに働き方の部分での話を聞かせてもらいました。

1時間の限られた時間の中で、とくに同世代の雇用や労働の問題について、充実した勉強会となりました。
現状の「職能給」制度から「職務給」制度への転換、とくに年功序列を否定し、同一労働同一賃金を背景に、非正規雇用の待遇アップ、労働条件の不利益変更のルール化など共感することも多くありました。
「変わるべきは国の形ではなく、価値観」というのも印象に残りました。
こうしたことをもとに世代としての雇用、労働政策をまとめて行きたいと思います。

以下には、今日の勉強会の内容も書いておきます。

冒頭で、現在の日本のシステムである「職能給」制度について、「年功序列」のこのシステムの特徴は、「昇格しかない降格ありえない」「定期昇給で支払う仕組み」「若い時の給料を45歳ぐらいから支払うシステム」「おそらくこうした仕組みは日本だけでは」と説明し、年功序列制度は優れた制度が組織の安定した成長が大前提だったとした上で、一方で、世界の潮流のである「担当できる仕事量に比例する仕組み」「その役割が果たせるから、そのポジションに着く」といった「職務給」を挙げ、これからは、「職能給」を「職務給」に変えていくべきだとのことでした。

「職能給」は、若ければ若いほど不利な世界として、会社システムは「人件費の上昇押さえなければならない」「基本給を増やすか、ポストを与えなければならない」「ポストも増やせない」「一度上がった序列や給料を下げるという既得権にメスを入れられない」となると「これからは昇格昇給賞与のハードル上げるしかない」とし、こうした問題だらけの成果主義の結果、「若い人間ほど働き損」が生まれ、若者が3年で辞める現状が生まれているとしていました。

実際に、大手製造業などでは、50歳過ぎまで定期昇給できた人たちとと、30歳で定期昇給になった人たちを比較すると、30代の給与は、団塊世代と比較して7割~6割、都銀などは半分くらいになっており、割に合わないと指摘しています。

正社員という待遇を与えないで労働を派遣社員フリーターで埋めている現実についても、2006年の新卒倍率が1.9倍だったが、就職氷河期と言われる厳しい時代の人が、非正規雇用で入ってきたことで、その結果、年齢別非正規雇用労働者数を見ると、これまで20~24歳、25~29歳に多かったが、最新では、35歳以上が突出していると言います。
一度 非正規になると正規社員になるのは難しい現実があり、20代で非正規になった方が、そのままシフトしていると言います。

こうした派遣社員やフリーターについては、オランダが徹底していますが、同一労働同一賃金について、法制で義務付ける必要があるのではないかという提案でした。

欧米では一般的な同一労働同一賃金という原則が、日本では、「定期昇給の恩恵を受けられた50代正社員(定期昇給世代)」と「20代正社員(成果主義世代)」とでは、賃金格差がおよそ2.5倍。
さらに世代の中でも「20代正社員(成果主義世代)」と「20代派遣社員」とでは、賃金格差がおよそ2倍だと言います。
こうした賃金格差は上下で5倍もの格差になるという現実は、搾取でしかないとまで言っており、とくに公益法人などひどく、天下りによる一握りのトップは1,000万円以上でありながら、実際に実務をこなしているのは時給1,000円の派遣社員だと言っていました。

非正規と正規との間に、こうした搾取問題があるのでこれが一番の問題だとし、格差を生み、それを固定化している現状を作っている要因として、「非正規雇用の急増」「進まないフリーターから正社員の切り替え」「中高年、女性の雇用のあり方」を挙げ、さらにその根幹に年功序列があると言います。
本当に格差をなくすと願うなら、この年功序列を否定すべきだと言います。

上場企業での女性の総合職は10%ぐらいであり、現実には一般職で採用がほとんどで、さらに最近は派遣社員としての採用になってきており、ここには大きな男女格差があると言います。

規制緩和反対、年功序列の維持という人もいるが、これは、ご自身の既得権を守れといっているだけ、現状では正社員の労働組合は、特権階級だとも言っていました。

こうした年功序列の仕組みは、日本中にあふれており、政府の当選3、4回で大臣ポスト、野党でも党三役の平均年齢が、民主56.7 社民56.7 共産53.7 国民新党71.3歳となっていると挙げ、日本における組織は、多かれ少なかれ、必ず昭和的価値観を持っているとしていました。

昭和的価値観では、新卒重視、男性総合職・女性一般職、中高年はコスト高だったが、こうした考え方を一新し、「既卒もフリーターもWelcome!」「女性も総合職」「中高年もキャリア採用対象に」といった「平成的価値観」へ転換していくべきだとし、「変わるべきは国の形ではなく、価値観」としてました。

また、男だけが仕事をするのだと0.6倍になってしまう給与を考えると、これからは、男0.6、女0.6で1.2の仕事を夫婦でするようにすべきだとしていました。

また先進的な雇用の仕組みとして、リクルート社のCareer View制度を挙げていました。
コンセプトは、「企業は若年層の雇用と職業訓練に対して一定の責任がある」「採用に年齢は一切関係ない=職務給」で、このCV制度では、「3年間(延長で最長6年間)の有期雇用契約」「学歴、前職、年齢一切不問。=フリーターや30代からも採用」「正社員と同等以上の教育研修制度」「管理職への登用もあり」となっており、「使い捨てではなく、専門業務と能力開発を経ることで、相互にwin-winの関係を構築」「履歴にリクルート社の正社員職歴が残る」となり、「契約終了後、グループ企業、同業他社を中心に転職」という仕組みだと言います。

求められる対策の方向性としては、「正社員と非正規雇用者の待遇格差を是正」が必要であり、「労働条件の不利益変更」に関するルール策定、解雇権の銘記も含め、既得権へメスを入れることが重要だとしていました。
具体的には、非正規労働者の待遇アップと、労働条件の不利益変更のルール化が必要であり、この結果、両者の中間点に“適正な労働相場”が形成され、こうしたことが、労働者が適正な対価を受け取れる「職務給」につながると提案していました。

格差一番大きい職場として出版社を挙げていました。
大抵1,500万円ぐらいの40・50代のデスクがいて、一方で1本5万円で月に6社掛け持ちで30万円ぐらいのフリーライターが実際の仕事をやっている構造だと言います。
こうした中で、例えば一社が抜け駆けして1本30万出せば、優秀なフリーライターがそこに集まり、他社もせざるを得なくなり、非正規の待遇が良くなって、逆に高額なデスクがいらなくなるかもしれない。
これが職務給だと言います。

労働者の国と言われる中国でも組合はなく、むしろ成果が下の2割は解雇といった成果主義をとっているそうです。

新卒の採用数一定の枠組みを非正規雇用から取る様な制度をつくれないかと提案してました。
現状でも、職安からの紹介で給料+5万円というトライヤル奨励金の制度はあります。
ただ、半年間5万円もらっても大手企業にメリットは少なく、実際には中小企業ぐらいしか使っていない。
そんな中で、今、若者の奪い合いが起きており、3割が3年以内にやめている若者は、中小から大手という流れが多く、ここを止めないと、日本の雇用制度変わらないと言います。
非正規雇用から一定数採用することを義務づければ、それはそのまま氷河期世代から取ることになります。
2割で20万人くらい、1割でも十分効果があるとしていました。

規則ができれば、それに見合った人事制度に変わり、職務給普及への第一歩となると提案していました。

参加した議員とのやり取りの中では、世代別労働分配率のデータは出ないかとの質問に、そうしたデーターは企業が出していないので詳しいものはないが、富士通などで言えば、20代1割程度で、50代以上が4割独占していると言います。

また、一部の優秀層、例えば東大・慶応の文型だと第一希望は、すでに日本企業に半分行かないような状況が出てきており、既得権見直す方向にはなってきていると言います。

私が常に行っている多様な労働形態については、共感のようでただ、現状では、まずその担保には非正規から正規への柔軟な仕組みをつくるべきだと言っていました。
ただ1,000円の時給上げろと言っても企業は上げないので、実際には不利益変更を同時にやるしかないとのことです。

格差の固定化が問題であり、格差が流動する仕組みをつくることが重要だという最後のメッセージには強く共感しました。