ローカルマニフェストと、アウトカム。

先日、早稲田大学マニフェスト研究所でも活躍するNPO法人ドットジェーピー理事長の佐藤大吾さんと、ローカルマニフェストとアウトカムについての話をしました。

ローカル・マニフェスト推進ネットワークの理念の中では、「地方自治は民主主義の学校」とした上で、「今後の首長選挙では全候補者がローカル・マニフェストを作成し、活用する必要がある。」と言っています。
しかし、「数値」「期限」「財源」「工程表」を明示した宣言であるマニフェストは、首長が提示した場合、選挙に当選すれば、それを実行することになりますが、地方議員の場合、執行権がない上に、単体では決定権もない状況で、どのように示すことが出来るのかという部分については、もう少し考えていく必要も感じます。
また、大吾さんからは、マニフェストのその後の判断についても話がありました。
例えば、「保育園を4年で10園つくります」といったマニフェストをうたったものの、実際に実行してみたところ、5園つくったところで、ほとんどの問題が解決してきたとします。
この場合、当然、他の事業に変えるという選択肢が出てくると思うがどういった基準と判断で行うべきかという話でした。
ここで、私が答えたのは、インプット・アウトプット・そして「アウトカム」についてでした。
このブログでも、よく触れることですが、この保育園の場合、その建設や維持管理、人件費も含めたサービスに係る費用がインプット、今回の場合10園つくりますというのがアウトプットになります。
これまでの行政は、その政策や事業に係る費用、つまりインプットで進捗を管理していました。
しかし、いくらの予算の内、いくら使うということは、市民にとってあまり意味のあることではありません。
次に、市民の皆さまにマニフェストとして提示した10園つくるという約束があります。
確かに、この約束で選ばれている以上、その約束を果たすことは、重要な要素です。
しかし、もっと重要なことは、何のために10園つくる必要があったのかということです。
例えば、女性が働く環境を創るということが目的だとします。
待機児童を0にすることで、さらに女性が働く割合を1%増やす。
などが、目標だとするならば、それが達成できれば、必ずしも10園つくる必要がない場合もあるのではないでしょうか。
マニフェストでは、具体的なアウトプットとインプットの提示、さらにそのためのスケジュールを明示することで、有権者に対して、リアリティのある約束をすることに力点が置かれています。
しかし、一方で、実際に行政運営をしたり、政治活動を行う中では、そうした選挙公約以外の活動がほとんどであり、選挙公約の方向修正もありえます。
選挙公約の修正も、公約違反というものもあれば、逆に成果が出すぎたので上方修正というものや、目標が達成できたので他の事に有効活用というものもあるでしょう。
そのためには、具体的な事業ベースでの公約だけでなく、めざすべき、ビジョンと、ここの政策のアウトカムの明確な提示の必要を感じたりします。
例として上がった保育園の件についても、アウトカムを提示した上で、その達成が出来れば、そこでひとつの判断が出来るし、さらに上級アウトカムの達成のための有効な政策が出てくれば政策転換ということもありえるのではないかと思うのです。
統一地方選挙においてローカルマニフェストへの注目が集まる中で、マニフェスト自体もステップアップしていく必要を感じます。