最大の将来投資は、人材の育成!

昨日、日本の借金について、ブログを書きました。
日本の財政状況を見ていると、将来投資をしないで、無謀な株主配当を出している企業会計のように見えます。

この国の将来を真剣に考えた時、将来への一番の投資は、人材の育成ではないかと考えます。

日本の社会保障給付費の対GDP比の国際比較を見ると、スウェーデン、フランス、ドイツが30%弱でほぼ並び、イギリスが20%強で、日本、アメリカが15%と未だに低いのが現状ですが、とくに、その配分を見ると、70.8%が高齢者関係なのに対し、子ども・家族関係はわずか4%です。
少子高齢化社会と言われる中で、もちろん高齢者への対応は重要ですが、会社や家族の流動化・多様化の中で、リスクが人生前半にも広く及ぶようになってきたことを考えても、もっと人生の前半にも目を向けるべきです。

公的教育支出(対GDP比、%)の国際比較においても、OECD加盟の30か国中、最新ではトルコを下回り日本は最低になりました。
2002年のデータでは、デンマークのGDP比が6.8%をトップに、アイスランド、スウェーデン、ノルウェーと北欧の国々が並んでいる中で、フランス(5.7% 7位)、アメリカ(5.3% 13位)、イギリス(5.0% 15位)とあった中で、日本はトルコに次ぐ下から2番で、GDP比はトップの約半分のわずか3.5%しかありません。
世界の国々が出来ていることが、なぜ日本には出来ないのでしょうか。

東大合格者の保護者の年収平均が1,000万円、半数が私立の中高一貫校と言われている現実の中で、実際に教育現場では、中学受験が活発化し、受験は早期化しています。
塾に入ることが、定常的になり、学習は塾で、学校では、学校生活を友だちと過ごして、息抜きになればと言う親が普通にいます。
親が塾の送り迎えをして、塾のはしご、帰ってきてからも親が付っきりで勉強という家庭も少なくありません。
こうした中では、所得の格差が、そのまま教育機会の格差につながる事はもちろん、一人っ子と、兄弟が沢山いることの間でも格差が生まれることになります。
そのため、受験教育に熱心な親にとっては、なかなか子どもをもう一人産もうという気になれない現実があります。
そういう意味では、格差の問題と同時に、少子化の問題につながる原因とも言えます。
我が家には、4人の子どもがいます。
長男は音楽に興味があり、本人の希望で部活が全国レベルである私立中学に通っていますが、中学受験の際には経済的な事情もあり、塾にも行かせてあげられず家で親が勉強を見てあげる程度でした。
幼稚園児や乳児がいる中、騒がしくてなかなか勉強できず、妹たちが寝静まった深夜に勉強していました。

教育の格差の問題は、格差の問題の中でも、機会格差がそのまま階層社会へ固定化してしまう可能性があります。
所得格差の拡大とともに“共通のスタートライン”に立てるという状況が、危ぶまれてきたとも言えます。
各個人が人生の様々な段階において、「機会の平等」を得られる保障が必要であり、“共通のスタートライン”に立てるよう人生前半の社会保障に充当する相続税(cf.資産を含むすべての所得に課税する実質的な社会保障目的税であるフランスの一般社会税)、環境負荷を抑制しつつ福祉水準を維持するための環境税(ドイツのエコロジカル税制改革)、将来へのツケ回しの撤廃のための消費税の必要性などの財源も考えなければなりません。

財政面からの対応ももちろんですが、将来この国を支えていく人材を育てて行くためにも、彼らが決して所得の格差によって、“共通のスタートラインに立つ”という機会平等を損なうことのない社会を創っていくことが必要だと強く感じます。