電子自治体とITガバナンス

今日は、朝から市議会議員特別セミナーに参加。
1コマ目は、丸山力 日本IBM株式会社技術顧問、徳島県最高情報統括監、東京大学大学院工学系研究科特任教授を講師に、「電子自治体とITガバナンス」について、話は、“フラット化する世界”から始まりました。
米国も、日本も残された道は“イノベーション”という話。
GDPは、労働力、資本、生産性と比例するが、その生産性の関数としてイノベーションがあると言います。
イノベーションは、技術革新と言われていますが、もっと幅広く、人の役に立つようにすることをイノベーションと言うべきではないかとのことでした。
労働力人口から見ると、日本はまだ世界の2.3%もあり、世界7位に位置しています。
日本、米国は、このうち70%がサービスであり、特にサービス分野でのイノベーションが必要だということでした。
印象的だったのは、中国では推定10万人がMMOGというオンラインゲームを年中無休でプレイし、自分のキャラクターなど仮想資産を西側世界のより裕福なゲーマーに販売して生計を立てているという話、知識時代の到来を感じました。
また、こうした情報化の中で、とくにインターネットと無線により、隠していても漏洩することから「透明な時代」が到来し、生活や仕事を変えるとし、例としてIMF等による政府の「汚職度指数」を上げていました。
ちなみに政府の「汚職度指数」の上位は、アイスランド、フィンランド、ニュージーランド。
そこからどんどん汚職度が上がり、日本は17位のアメリカよりもさらに悪い21位に位置づけられていました。
こうした前フリの後、自治体の業務とITシステムの現状として、システム調達が丸投げになっており費用が肥大化している、随意契約で適正費用が分からないなどの声があることを上げていました。
自治体ITシステムの棚卸の実例を見ると、ある意味個々で正しい入札が行われた結果か、バラバラの業者入っていて統制が取れていないことを上げ、これからは“個別最適”から“全体最適”への転換が必要だとしていました。
また、「透明な業務・システム最適化」においてEA(Enterprise Architecture)手法を用いるべきだとしていました。
「EA」は「建築」に例えると、政策・業務体系が間取り図、データ体系が材料・部品展開表、適用処理体系が施行図面・手順書、技術体系が工事図面ということになります。
データ体系以下は、コンピュータ専門家に任せてもいいので、間取り図にあたる政策・業務体系については、自治体職員で対応すべきだとしていました。
さらに、実際に徳島県の行ってきた「業務・システム最適化」の実践例として、「見える化」「解かる化」「最適化計画策定」に向けた活動が紹介されました。
徳島県の方針展開は、実現手段の確保からとして、
人材・スキルの育成・確保
横断組織・評価制度の新設
最適化のための業務・プロセスの構築
ICTシステムの構築を、
また、職員自身が駆使する“手法”のリストとして、
A)業務・システム最適化(EA)
B)“業務流れ図”による分析
C)SWOT(Strength,Weakness,Opportunity,Threat)分析
D)因果関係分析
E)ABC(Activity Based Costing)分析
F)プロジェクト・マネージメント
G)論理的思考
H)透明なルール
を上げていました。
講演後の質疑応答の中で、IT分野の場合、システムの開発と、市民の皆さまに対するサービスが必ずしも比例関係ではなく、最終的には、大きなパフォーマンスを生むものであっても、途中段階では、コストに対してパフォーマンスが合わないことが多いように思います。
ITの開発速度は速く、数年で時代遅れになってしまうことを考えても、個人的には、最終的なパフォーマンスができるようになった段階でシステムをつくるべきではないかと思っています。
こうした、途中段階でのコストパフォーマンスの判断は、しっかりやっているのかという質問をしました。
また、最後に上げられた職員が駆使する手法についても、市川市でも同様にABCはじめ様々な手法をとっていますが、こうした行革のための手法自体にかかるコストがあり、行革によるコスト削減以上に、そのシステム自体にコストと労力がかかり過ぎている場合があるとし、どういった基準でその手法を選んだのかと質問しました。
これに対する答えは、徳島県庁を見て決めた。
手法自体は必ず良い結果は出てくる。
実際にやって、理解してしまうとそれほど負担でもない。
自覚でまわしてもらう必要がある。
というものでした。
全体を相関図的に見れば見えるということですが、その判断基準は分からず、また、結果が出ることは分かった上で聞いたコストパフォーマンスについては、まったく答えてもらえませんでした。
ITにしても行革にしてもその必要性は強く認識しています。
しかし、そこにどの程度の効果を予測しているのか、コストに見合うだけのパフォーマンスがあるのか、評価のための評価基準の制度とコスト面での評価、便利にするための便利にするツールの利便性やコスト面での評価。
こうしたことも考えていかなければならないのではないかと思います。